こんな感じで、
トマト卵麺やジャージャー麺など、
自分で作れる料理の時は上機嫌、
そうでなければ何かと不機嫌な義父であったが、
ある日をきっかけに、かなり義父の態度がやわらいだ。

その日の昼食は、蒸したてご飯と肉団子入り白菜春雨スープ。
肉団子の種を作って1階に下りると、

「お前、肉団子なんて作ったことあるのか?
 肉の臭み消しの長ネギやショウガは入れたのか?」

と、自分も分からないくせにあれこれと口を挟む義父。

「今までの昼食で、以前に私が作ったことのあるものなんて
 ひとつもないじゃない」

と心の中で毒づきながら、まぁまぁやってみましょう、
と義父をなだめ、そのまま作り続けるつばめ。

ところがこれが、義父の口に合ったのである。
スープを一口飲んで、

「うまい!」

と義父一言。心配した肉団子も

「いける!」

とすこぶる笑顔。
久しぶりにおいしいものを食べたという
笑顔である。

つばめとしては、肉団子をもう少し柔らかく作れたらなぁ、
と思ったけれど、とにかく、義父に気に入ってもらえたことが
うれしかった。

翌日から、義父との昼食をめぐるやりとりが
ずいぶんやりやすくなった。
電話の開口一番、

「今日は何作るんだ?」

と、もう完全につばめが考えたメニューを
一緒に食べるということを前提にした
口調である。
つばめがメニューを告げ、買ってきてほしい物とか
お粥の準備とか、事前に切ったりしておいてもらいたいものを
言っておけば、快く引き受けてくれるようになった。

とにもかくにも、つばめの作る料理
(というほどのものでもないけど!)に
少しだけ信頼を置いてもらえるようになったことで
義父とのコミュニケーションが取りやすくなり、
多少ほっとしている最近のつばめである。


つづく。