ニイハオ中国(つばめ)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

カテゴリ: 100回〜

私の席の隣に座ってる社員さんには、
3歳の坊やがいて、いつも朝晩保育園に送り迎えしている。
日本語も話せて、明るく快活な女性。

その彼女から今日急に、
「日本の法律がいろいろ見られるホームページを教えて」
と聞かれた。なんで日本の法律なんて知りたいのか、
不思議に思って聞いてみると、なんと彼女は今、
法律学部の大学院生だという。
どおりで、彼女の机には、法律関係の本がずらりと
並んでいたわけだ。

でも、結婚して、子供もいて、フルタイムで働いていて、
なおかつ大学院生してるなんて、びっくり。
聞くと週末などに集中的に授業を取って、
あとは家で論文などを書いているらしい。

そんな彼女と、夕方一緒のバスだったので、
いろいろ話をした。
「ひとりでご飯を食べるの?」
って聞かれて、そうだと答えると、
「そっかー、寂しいね」って同情された。
彼女は夕飯はどうするのか聞くと、
さっき実家のお母さんから、もうご飯できたよ、
って電話があったらしい。
「いいね」って言うと、
「はい、幸せです」と笑顔の彼女。

助けてもらうところは助けてもらって、
そういう自分の境遇に感謝できるところに
中国女性の強さを見た気がした。

我慢して、自分の願望を抑圧して、
「誰々のせいで・・・」と言い訳して生きるよりも、
私も、夢に向かってチャレンジして、
助けてもらうところは助けてもらって、
「幸せです」って笑顔で言える生き方がしたい。

週末だけ一緒に過ごして、日曜日の夕方に瀋陽に出かけた夫。
着いたら携帯メールしてね、って言ってあったので、
夜10時過ぎごろメールが来た。
しばらくメールのやりとりをした後、
夫から突然、「波!波!」ってメール。

びっくりして、すぐ夫に電話した。
高波か津波が急に瀋陽を襲ったのか!?

「大丈夫?何かあったの?」とあせって聞く私。
「なんで急に電話してきたの?」と不思議そうな夫。
メール見て、びっくりして電話したことを言うと、
夫はハハハと笑って、説明してくれた。

「波!波!」というのは、中国語の擬音語で、キスの音らしい。
「チュッ、チュッ」なのか「ブチュ」なのか分からないけど、
(bo、boって発音です)
とにかく夫がふざけて送ってきたメールで、
私はびっくりさせられた。

でも、突然「波!波!」ってメール送られてきたら、
普通の日本人は驚くでしょう?
まあよく考えてみたら、瀋陽は内陸で、
海に面してないんだから、高波に襲われることなんて、
ありえないんですけどね。
ほんと、一瞬冷静さがどこかへふっとんでました。

・・・そして次の日。

朝一番に夫から電話。
「何もないよね、無事だよね」

一体何を言ってるのかと思って聞いてみたら、

「君が一人で海辺に遊びに行って、急に高波に
 襲われた夢を見て、あせって飛び起きた」

だって。
お互い変な心配して、損したなあ。

日本に来て2週間、
お正月は家族とおせちを食べたり、
親戚のうちへ行ったりして過ごしていたが、
先日はじめて街に出た。

電車に乗ること約1時間、
久しぶりの日本の都会だ。
なんだかドキドキするなあ。
電車の中でも、ものめずらしくキョロキョロしてしまう。
窓から見える景色、つり革広告でさえ、新鮮で面白い。
完全に観光に来たおのぼりさん気分。

街に出ても、中国ゆっくりモード&田舎モードを
抜け出せず、せかせかと足早に歩く人並みの中、
なんだかぼんやりしているつばめ。
みんなの雰囲気についていってないよ~。

さて、街に出てわかったこと。

女性の髪形。
長いまっすぐ伸ばした髪に、毛先だけ大きくゆるい
パーマで動きをつけている。
前髪はおでこに沿わせて斜めにおろしている。
まっすぐぷっつりそろえた前髪、
または長く伸ばした前髪を両側に流しているというパターンも。
そして、黒髪が流行っている?
ここ一年で茶髪率がぐっと下がってる感じ。

そういうちょっとだけ重めの髪形に、服はレトロエレガント系。
あっちでもこっちでもリボンがついた服が並んでいる。
かわいい系が流行ってるのね。
そして、タートルネックみたいな上から、
ふっくらした七分袖の服を重ね着して、
腕から下の服を見せて着るのが今年のスタイルらしい。
あっちでもこっちでもそんな服の人がいっぱい。
そんな着方が今、日本では流行っているとは・・・!
・・・全然知らなかった。

それにしても、日本の流行ってほんと、分かりやすい。
道行く女性の半分ぐらい、上のような格好をして歩いてるし、
ショップを覗くと、どこもかしこもそんな感じ。
この中にいると、自分もそんな格好をしないといけない
気がしてくる。
七分袖から腕をニョキっと覗かせてるなんて
変だと思ったけど、ずーっと見てると
それがいいような気がしてくるから不思議だ。

ここはひとつ、日本の記念に
七分袖の上着のひとつでも買って帰るか。
なーんて思ったりして。

あと、ん?と思ったのが携帯。
1年見ないうちに何だか大きくなってるような・・・、
と思ったら、日本ではもう、携帯で普通に
テレビを見る時代なんですね。
おおー、日本って進んでる!

最後に、日本の都会はキラキラしてて、きれいでした。
思わず「ほしい!」って思うような
魅力的なものがいっぱいあふれてるところなんて、
中国ではあんまりない。
向こうでは、探して探して、やっと何とか
妥協できるものを見つけるという感じに近いので、
日本でお買い物に出ると、クラクラします。
だって、楽しいもの!

そんな日本での楽しい日々もそろそろ終わりを告げ、
まもなく北京に帰国する予定のつばめ、
次回からまた、中国での日常生活のあれこれを
お届けしてまいります。
どうぞお楽しみに!

今回 日本に帰国して、
変わらないな、というのが日本の印象。

町は相変わらずきれいで、
店員は相変わらず丁寧。
日本の様々なところで受けるサービスの良さは、
本当に気持ちいい。
肌触りがよくって、ストレスがない。
日本って、やさしい国だ。

その変わらなさの中に、
翳りを感じる今回の帰国。

まず日本に到着して、空港の駐車場へ向かったが、
その駐車場に立っていた係員が
みんなシルバー世代のご老人。
ああ、本当に老齢化社会になってきているんだなーって、
ひしひしと感じた。

もうひとつ感じた変化。
今日は、家族と出かけたが、
車窓から見えるガソリンスタンドに
ひとけがない。
聞くと、最近は「セルフ」式のガソリンスタンドが
どんどん増えてきているらしい。
前日本に帰った時は気がつかなかったけど、
人件費を削らないと、ガソリンスタンドも
経営が成り立たなくなってきているらしい。
ふーむ、知らなかった。。。
やっぱり日本を離れてると、
もう分からないことがたくさん。

変わらない故郷の町並み。
そんな中での小さな変化といえば、
どこそこの店がつぶれたとかいう話だったり。

店でに流れる音楽までも、
だいぶん前に流行った懐メロが多い気がする。
なんだか過去にタイムスリップしたような気分。

日本についたばかりの時には、
未来にタイムスリップしたような気分を味わい、
今、過去にタイムスリップした気分を味わっている。

どちらも、本当なのだろう。

中国から見ると、日本は近未来的な国。
でも、日本それ自体は、私の学生時代から
さほど大きくは変わっていない気がする。
昔から、いい国だったのだ。

ちょっと感傷的になってしまった。
中国に戻るまであと少し、
「やっぱり日本はこんなにいい!」を
もっともっと満喫して中国に戻ろうと思う。

正月4日目、親戚の叔父さんのところへ
新年の挨拶に行った後、
父方の祖父母のお墓参りに行った。
冬の空気の中、お墓に花と水をあげ、
手を合わせると、心が清まる気がする。

そこでふと思う。

つばめが死んだら、どこに眠るのだろうか。

中国人の夫に嫁いだんだから、そりゃ中国か。
けど、うちの両親はそのことについて
どう思っているのだろう。

「ねぇー、つばめが死んだら、中国のお墓に入るのかな。」

そう言ったら、母がすかさず、

「あんたは長江かどっかに流してもらったらいいんじゃない」

と一言。はは、私が中国に眠ろうとどうなろうと、
どうってことなかったらしい。
考えてみれば、このぐらいの親でないと、
娘を中国に嫁にやったりしないか。

長江かー、それもいいなあ、と思いをめぐらすつばめ。

「ねぇー、長江と黄河とどっちがいいかなぁ」

今度は父に話しかけてみる。

「そりゃあ、長江のほうがいいに決まってるだろう」

と父。父もこれか。
じゃあ、まあ、心置きなく中国の河にでも撒かれてやろう。
ほんと、つばめは山の奥の墓石の下に入ってるより
中国の大河に流してもらったほうが気持ちがいい気がする。

「で、お前、灰になって河から海に流れていって、
日本に戻ってくる気か。」

という父。
おお、それはますますいいなあ。だって、一石二鳥じゃない?
そこで再び母が一言。

「で、その灰になって帰ったきたあんたを食べた鮭を
 お母さんが食べるわ」

・・・うーん、愛情深いんだか、何なんだか。
だけどね、つばめが灰になる頃には、お母さん、
あなたはとっくにこの世界にいないのでは?

こんな明るい家族のおかげで、
つばめは長江に流されようが黄河に撒かれようが
大丈夫だということが分かりました。

だけど、灰となって河に流れていったら、
再び夫に出会えるのだろうか。
それがちょっと心配だ。

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