ニイハオ中国(つばめ)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

カテゴリ: 450回〜

1歳半になったわが家のふたり目ちゃんは、
北京生まれの北京育ち。
日本語と中国語の二ヶ国語が入り混じる環境で
育っていますが、ここ1、2か月のうちに、
言葉(特に日本語)の面でぐっと進歩しました。

1歳前から、母の真似をして単語の最初の音を
繰り返して言ったりしていましたが、
1歳4か月を過ぎた頃から、
「チ・カ・チ・カ」「ここ」「ハエ」「たこ」
「葉っぱ」「あっこ(だっこ)」「ちょうちょ」
など二音以上の音を続けて発音できるようになり、
あれよあれよという間にいろいろな単語をしゃべるようになりました。
2音以上の音をつなげて単語を言えるようになってまもなく、

「でった!(=できた!)」
「しゅっぱ!(=しゅっぱつ!)」
「あ・そ・ぼ」

などの動詞を使った文を言ったり、

「ねっこ、ニャーン」「お、ぼ(=おおきいボール)」
「ハェ、いっぱい」「かべ、ごっつんこ」
「(うさぎにえさをやりながら)ハイ、どーぞ」
「(空のお碗を手に)ない、ない、も(=もっと)」

のような二つの単語をつなげて
自分の言いたいことを表現するようになりました。最初は、

「(朝、本を手に、寝ている母をひっぱりながら)
 お!ほ!(=起きて!本読んで!)。」

「(母の手をとりながら)て、つ(=手つなごう)」

のように、ふたつの単語の頭の音を続けて言う感じだったのが、
これまたあれよあれよという間に

「(自分で靴をはこうとしながら)く、はけ(靴履く)」
「(コンビニの入り口を指し)スーパー、はいる!」
「しっこ、でった(しっこ出た)、やったー」
「(天安門の旗を見て)はた、すごーい!」
「(帽子をかぶって見せに来て)ぼぅし、かぶる(=帽子かぶった)」
「ほん、よん(で)!」「ふとん、かけて!」
「(母の服を持ってきて)ママ、ふく、きって、しゅっぱーつ!」
「おじぃちゃん、あっち行った」

のように、かなりしっかりした文らしきものを
しゃべるように。
「まてまて~♪」と母を追いかけてきて、
「つかわ(つかまえた)!」と母の足元にしがみついたり、
怒ると、「プンプン!」と言ったりするのがかわいいです。

「あれ?」「おっとっと」「よいしょ」などの言葉の使い方や、
物を渡す時の「ハイ!」という言葉の自然さは、
勉強したのではなく、母語として日本語を身につけているのだなぁ、と感じます。
ちなみに今のふたり目ちゃんの口癖は、
「あかん!」「いらん!」「いや!」「ちがう!」で、
完全に関西弁となっています(笑)。
これも日本語を母語として身につけつつある証ですね。

つづく。

中国は、中秋節&国慶節合わせて
9月30日から8日間の大型連休でした。

あちこちの観光地は人でいっぱいだったようですが、
我が家は遠出せず、もっぱら近場で過ごしました。

1日目は中国美術館へ。
以前は有料だった中国美術館、今はいつ行っても無料だし、
人もあまりおらず、子供連れにはちょうどよかったです。

2日目はイトーヨーカドーへ。
ヨ―カドーは北京に十数店舗ありますが、
どこもちょっとした子供の遊び場が設置されていて、
重宝しています。
つばめが食料品売り場で、魚介類やら、伊藤ハムやらを
購入している間、夫が4階のプレイルームで子供を遊ばせます。
この日は長期連休中ということで、天気もいいし、
多くの人が旅行などに出かけたようで、
ヨ―カドーはたいした込みようではありませんでしたが、
ガラガラというのでもなかったです。

3日目は我が家からほど近い「皇城根遺跡公園」へ。
故宮の東側にある南北にながーい公園で、
幅は約29mしかなく、公園というより散歩道という感じ。
それでも、距離にして約2.8kmの散歩道には
四季折々の草木が植えられ、バラ園や竹林があったり、
老北京をテーマにした銅像のオブジェなどもあったりして、
結構楽しめます。
公園中央辺りには「明皇城東華門遺跡」もあり、
青空博物館のような形になっています。
故宮や景山公園、北海公園など、
観光地に隣接しているのですが、
ここは人も多くなく、
家族で秋晴れのいい季節の公園散歩を楽しみました。

4日目は、上の子は夫の妹の家に遊びに行ったので、
下の子を夫に預けて、つばめは
ネイル&フットケアのお店に行ってきました。
子供が生まれる前までは、時々ネイルのお店に通ったりも
していたのですが、子供が生まれてからは皆無。
でも今回は特別。つばめの誕生日が近いので、
プレゼント代わりに午前中の自由時間をもらいました。

ネイルもフットもベーシックケアのみで、
絵を描いてもらったりはしませんでしたが、
それでも、手足を温水につけた後、
丁寧に爪の甘皮をとってもらい、
足の裏全体もきれいにこすってもらい、
クリームを塗ってもらうと、なんだかいい気分。
最後に眉の形を整えてもらいました。

こうしてたまに子供と離れて自分の好きなことをする
時間がもらえたら、心に余裕も生まれるし
子供がいつもにも増してかわいく思え、
夫には感謝の気持ちが湧いてきますね。

連休5~6日目は家族でホテルに一泊。
ホテルの庭を散歩したり、プールに行ったりするぐらいで、
何をしたわけでもないのですが、
日頃の雑用を離れてそれなりに非日常を味わえ、
ちょっとした小旅行気分を楽しみました。

連休7,8日目は、買い物と部屋の片づけをして
後はゆっくり休みました。

下の子がまだ1歳半なので、
遠出はしなかったのですが、
子供がもう少し大きくなったら、
国慶節中は中国国内の人混みを避け、
海外旅行にでも行きたいなぁ、と
夢をふくらませています。

↓あちこちの街角がこのような花やちょうちん、中国結びなどで飾られています。
P1130282

9月30日から中国は8日間の長期休暇に入っています。
そして、休暇一日目、日本の尖閣国有化以来初めて、
中国青年新聞に尖閣諸島の記事が全く載っていませんでした。
中国は、この中秋&国慶節のお祭りムードを境に、
尖閣諸島の件についてはひと段落させるつもりだと思います。
つばめも、尖閣関連の日記は、
今日でひとくぎりさせたいと思います。

今回の尖閣諸島の問題で、多くの日本人の
中国に対する印象は確実に悪化したと思います。
つばめは、こちらのコラムとは別に
個人ブログを書いているのですが、そちらには、

中国という国は、
国があおってデモは起こすわ、
政府に都合の悪いことは一切報道しないという不条理な言論統制はするわ、
平気で嘘ついて国民を洗脳するわ、
国連演説では日本を盗っ人よばわりするわ、
とにかくろくでもない。
こんな国と友好的な関係を結ぶなんて無理だ!

という主旨のコメントが多く寄せられました。
つばめもその気持ちは理解できなくもありません。

でも、中国がそのように無茶苦茶だとして、
それを言ったところで何になるのでしょうか。
日本が中国に干渉して、その現状を変えられるわけでもありません。
(変えられる部分があったとしても、ほんのわずかでしょう)

日本が今考えなければならないのは、
では、今後中国と付き合わずにやっていけるかということです。
これは、だれがどう考えてもNOだと思います。

であるならば、いかに戦略的に中国と付き合うかを
真剣に考えることが重要なのではないでしょうか。

もうひとつつばめが感じることは、
多くの日本人が中国や中国人をもっとよく知ることが
必要だということです。

多くの人がこぞって挙げるような中国のマイナス面というのは、
もちろん中国にあるわけですが、
それが中国のすべてではないということです。

日本は国として今後も中国とお付き合いを
続けないわけにはいかないのだから、
もっと中国のいろんな面を知り、中国や中国人の
行動様式や思考回路を知ることが、
日本の国益のためにも重要だと思います。

村上春樹さんが2012.9.28朝日新聞に寄稿したエッセー
「安酒の酔いに似てる」を読みました。
本当に、両国民が早く安酒の酔いから冷め、
お互いがお互いにとってなくてはならない存在である
というところに立ち戻って、
友好的な関係を回復するよう努力してほしいと願っています。

9月10日の尖閣諸島国有化以来22日まで、
中国青年新聞の一面は
尖閣諸島(釣魚島)で埋め尽くされていました。

中国も表向き「釣魚島は我が国の領土だ」と言っている手前、
自国の領有権をふみにじられたということになりますから、
それ相応の応酬をしないと、国民に顔が立ちません。
自然、見出しの口調も険しさを増しますし、
日本が中国の再三の申し入れも聞かず一方的に国有化に踏み切るなら、
こっちも機に乗じてできることは何でもやってやろうじゃないか、
と抑えのタガが外れた感じです。
日本の尖閣国有化は、中国に思う存分利用されるのではないでしょうか。
問題がこじれることを中国は望んでいると思います。
もともとは日本の実行支配しているところを、
問題を大きくしながら、徐々に中国側に有利な方向に
持っていこうと思っているからです。

尖閣国有化後の中国は、全国各地でデモが繰り広げられ、
日本製品不買運動、日本旅行の取り止め、
日中間の様々な活動が中止または延期になっています。
中国政府は尖閣海域の船での巡回は常態化させる意向だし、
問題はこじれるばかりです。

日本は今回尖閣3島の国有化という駒をひとつ置いたわけですが、
それに対して中国が進めた駒は、つばめの思いつく限り
以下のようなものがあります。

1.10数隻に上る中国船の尖閣海域への領海侵害を公然と行う
2.中国天気予報に尖閣諸島を組み込み、国民の領土意識を高めるとともに漁師たちの便宜を図る
3.中国領土である尖閣諸島の詳細地図の発行
4.尖閣諸島の島のうち、中国でまだ無名であった島々の命名
5.尖閣諸島の領海基線を記した海図を国連に提出
6.中華人民共和国外交部は「国連大陸棚限界委員会」に排他的経済水域を
日中中間線を越え沖縄トラフまでとする大陸棚自然延長の案を
正式に提出すると発表(上記順不同)

などです。

今回の尖閣国有化のメリットが一体どこにあったのか、
つばめにはよく分かりませんが、
それによって受けた日本の損失は明らかに
メリットを大きく超えていると感じます。

尖閣国有化により、日中関係を悪化させ、
尖閣問題において中国これだけ歩を進めさせる契機を与え、
日本の国益を大きく損なったことについて、
関連政治家は責任を問われるべきだと思いますが、
日本のおおかたの雰囲気は、
「中国側の抗議に折れずによく筋を通した!よくやった」
という感じで、その行動で日本がどれだけ損したかという点には
焦点があたっていない気がします。
日本が得たメリットは、「尖閣は日本領土だという筋を通した。
あー、すっきりした」という気持ちだけではないでしょうか。

今回日本は、日中国交正常化交渉において
尖閣諸島問題は棚上げにするという暗黙の合意があったにもかかわらず、
(日本は合意はなく、相手が一方的にしゃべっただけと主張していますが、
合意を裏づける資料があるという日本の学者が現れましたね。)
それを破ったという日本を責めるポイントを中国に与えたことになりますから、
その長期的な損害と言うのは甚大なものになるでしょう。
中国は、日本が棚上げの合意を破ったというのを理由に、
それならこっちも遠慮しないと、機をうかがっては
どんどん歩を進めてくる可能性が高いからです。

中国青年新聞の尖閣関連記事はすでに下火となり、
中国政府も、国慶節前までに今回の騒ぎは収める意向のようです。
ここ10日あまりの騒ぎの間に、中国側が打てる駒は
すでにほぼ打ち終わったわけですから、
これ以上騒ぎを続けて日中関係を悪化させることは、中国にとって何のメリットもないのです。

とにもかくにも、中国に住むものとしては、
国慶節のお祭りムードがこの騒ぎを一掃してくれることを
願うばかりです。
(その願いは中国政府の狙い通りかもしれませんが・・・(笑)!)

9月10日の尖閣諸島国有化以来ずっと、
中国青年新聞の一面は毎日
尖閣諸島(釣魚島)で埋め尽くされています。
日中国交正常化40周年という節目の年にもかかわらず、
両国関係は急激に悪化していますね。

さて、先日、尖閣諸島について
中国人夫はどう見ているのだろうと、
話題を振ってみました。
中国人の考えを知るご参考までに、
皆さんにご紹介します。

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尖閣諸島は確かに中国のほうが先に発見し、命名し、
琉球との往来などに利用していた島かもしれないけど、
国際法廷の判例からみると
中国のものだとはいえないと思う、
とわが中国人夫に話を振ってみると、夫、

「日清戦争で負けが確実になり、
 本土さえ守れないボロボロの状態の時に、
 日本が釣魚島に乗り出してきて、
 無主地だと言って中国の領土を不法に占領した。そして

『日本は、尖閣は自国の領土だと宣言した後、
 もう長いこと実効支配を続けている。
 だからこの島々はもう日本のものだ』

という。そして、

『おまえらが長いこと抗議の声を上げなかったからいけないんだろ。
 主権の宣言もせず抗議もしなかったってことは、
 その領土を放棄したってことだ』

 という。
 そんな手前勝手な理屈があるか。
 抗議しなかったのが悪い、
 重視してなかったのが悪いと、
 何でも中国が悪いようにいうけど、そもそもそっちが
 他人の領土をかすめとったのが悪いんじゃないか。
 根本に立ち戻って、どっちが本当に悪いか考えてみてくれ」

と言うわけです。
夫には、釣魚島は戦時の中国の国力が弱まっている時に
「無人島」を「無主地」と都合よく言い換えて
日本に占領された島という気持ちがあり、
日本は戦後、侵略戦争によって占領した領土は
すべて返すことになったのだから、その中に
釣魚島も入っているはずだと思っているようです。

夫の気持ちは分かるけど、
その論理にはやはり納得できないところが残りました。

でもそれ以上話すと、本当に喧嘩になってしまいそうだし、
つばめも夫も、どれだけ情報を集めても
事の真相を知ることができるわけでもありません。
だいたい、島がどっちのものだとしても、
私たちの生活にはまったく関係のないことなので、
それ以上討論することはやめにしました。

つばめは自分が見知ったことを夫に言ってみて、
夫がどう思うか知りたかっただけなのですが、
同じ事実を前にしても、
中国人と日本人では感じ方も違うし、
人によってもどう受け取るかということは様々です。
結局、人は自分の信じたいことを信じるだけで、
説得して人の考えを変えるということはできないのだと知りました。

自分のちょっと見知ったことをまるで正しいかのように言って、
夫を説得しようとした自分が間違っていたと思い、
不快な思いをさせたことに対して夫にあやまりました。

これからは、家庭で政治問題について話すのは
控えようと思います。

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