ニイハオ中国(つばめ)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

カテゴリ: 300回〜

つばめ、中国の永久居留ビザ(いわゆるグリーンカード)
の申請をすることにしました。

今後もずっと中国に住み続ける予定なので、
ビザ更新が10年に1回で済み、
いつでも働くことができるビザというのは
やっぱりないよりあるほうが便利だろうということで、
チャレンジすることに。

いろんな書類を揃えなければならないのですが、
取得に一番時間がかかりそうなのが
日本の警察庁が発行する無犯罪記録証明。
日本で申請してもいいのですが、
つばめは年末まで日本に帰る予定もないし、
日本に戻っても、チビを連れて街まで出て、
警察庁で発行を依頼し、1週間後にまた取りに行き、
それを持って今度は駐日中国大使館(総領事館)に
認証の申請に行き、また3日後に認証が終わった
無犯罪証明を取りに行き・・・、と
考えただけでちょっと無理。
子供がいなければ日本での申請も考えたかもしれませんが、
チビを連れて何度ももあちこち出向いて
色々な手続きをしなければならないというのは
時間も労力もかかり大変です。

北京でも無犯罪記録証明を取ることができるのですが、
大使館(外務省)を通じて日本の警察庁に連絡が行くので
日本で直接申請するよりも時間がかかり、
また代理会社(華僑総会)を通して
駐日中国大使館での認証をすると、
1万円からの手数料がかかります。
それでも日本での手間を考えると、
北京で申請するほうがずっと楽だと思ったので、
そうすることにしました。

で、まずは北京の日本大使館領事部にメールで、
無犯罪証明の申請方法等を問い合わせると、
先方から連絡があり、無犯罪証明の申請は
予約制になっているとのこと。
今予約しても1ヵ月後の申請になるというので、即予約。

かくして1ヵ月後、指定された時間に
三元橋にある日本大使館領事部へ
無犯罪証明の申請に出向いたのでした。

つづく。

3日間も点滴通いをしたチビちゃん、
同じように風邪で点滴をしにきている子供と
何回も顔を合わせました。

2日目にベッドの向かいで点滴をしていたのは
チビちゃんより少し小さな1歳2ヶ月の男の子でした。

その子のお母さんは日焼けした顔に
化繊のぴったりした柄入り上着を着て、
素足につっかけを履き、
上着をめくり上げて男の子におっぱいをやっています。
その傍には紺の薄い生地のポロシャツに短パンという
地味な姿のお父さん。
翌日も同じ夫婦に鉢合わせました。

なんだかちょっと田舎っぽい感じの夫婦だけど、
特需診察の番号札は、一般の10倍以上。
ここへ来ているからには、きっとそれなりの
収入のある人なのだろうなぁ、と
なんだかちょっと不思議に思っていました。

それが点滴を終えて外に出てみると、
その夫婦が黒のワゴンベンツに乗って
立ち去るところに出会いました。

おおーーっ、と思わず目を見張るつばめ。
これはこれは失礼しました。
人は服装で判断してはいけない、
我が家よりずーっとリッチなご家庭だったのですね。

でも中国って、ほーんと
なにかがなんだかチグハグなのです。
中国のお金持ちでもとても素敵な装いの人もいますが、
スーツとかきちんとした服を着る習慣も
最近までなかったためか、
センスがいまいちな人も多い気がします。
(つばめも人のこと言えるセンスじゃないけど!)

日本人もそうだと思いますが、
中国人は特に、外見で判断できないと思う
つばめなのでした。

さて、目を閉じてぐったりしたチビちゃんを
車に乗せ、再び児童病院へ向かったつばめ夫婦。
受付で、診察の番号を取る際に、
種類が3種あることに気がつきました。

普通 5元
専門医師 7元
特需 70元

となっています。

「前回は急患だったので区別がなかったのかな?
試しに「特需」にしてみよう」

と夫。
70元払って、特需の番号札を取りました。

これがよかった。

まず、待合室からして一般とは別のところに
設けられており、待ち時間もほとんどなく
スムーズに診察が受けられます。
診察後、治療に必要な点滴薬や針などの購入は
一般窓口と同じところに並びに行かなければならないのですが、
点滴の治療自体は、特需診察室の近くにある
治療室で受けられました。

何より子供の数が少なくすいているのがいい。
チビちゃんは、2種類の抗生物質の点滴を
3日間続けて受けることになったのですが、
毎日「特需」の番号札を取り、
点滴を受けました。

一般のところで、大量の病気の子供でごった返す中、
おしっこにまみれて治療を受け、
別の病気をもらってきたら
意味ないですもんね!

チビちゃん、点滴を受けた後は熱が下がり、
熱ざましを飲まなくてよくなりました。
でも熱が下がっても点滴は3日間連続で打つというのが
中国では一般的なようで、
チビちゃん、36.5℃の思いっきり平熱にもかかわらず、
2日目も3日目もおでこにブチュっと針をさされたのでした。

日本って、よっぽどのことがないと
点滴ってあんまりしない気がするのですが、
中国ではちょっと風邪引くと
すぐ「じゃ、点滴ね」と言われてしまいます。
本当に必要なのかどうか、いまいち疑問なのですが、
専門知識のないつばめには判断できないことだし、
もやもやした気持ちが残りつつも、
結局は医師の言うとおりにするしかないのでした。

とにかく、やっと3日間の点滴地獄脱出です。
点滴最終日に、翌日もう一度来院して
血液検査をするように言われたのですが、
チビは2日間ずっと平熱だし、
血液検査してまた点滴といわれるのもいやなので、
もう行かないことにしました。
(ホントはダメかな?でも結局ただの風邪なわけだし)。
チビは元気でピンピンしているのだから、
もう点滴はいいでしょう。

4日間も夫婦で病院通いしましたが、
チビちゃんがよくなってほっとしています。

夏だ!ということで、
家族で朝陽公園の砂灘フェスティバルに出かけた
数日後、心配していたとおり、
チビちゃんが発熱しました。

39度の熱が出て、熱ざましを飲ませて
様子を見ていたのですが、
翌日の晩には熱が40℃に上がり、
「首都児童医院」の急患に駆け込みました。

血液検査の結果、細菌感染による風邪と判明。
数値が相当高かったので、
チビ、1歳8ヶ月にして人生初の点滴を受けることに。

中国って、小さい子供の点滴は腕ではなく、
おでこと髪の生え際あたりの血管に針を刺すんです。
ベッドに仰向けに寝かされたチビちゃん、
ベッドで母に両手、父に両足を押さえつけられ、
看護婦さんに頭をしっかり固定された上で
おでこにブチュッと針を刺されて大泣き。
本当にかわいそうでした。

痛いのよりも、恐怖で泣き続け、
夜10時を過ぎていたのもあって
疲れてそのまま眠ってしまいました。

それにしても、小児病院の環境って、
本当に恐ろしいです。
何が恐ろしいって、中国の子供の多くは
お尻丸出しor又割れパンツを履いています。
・・・で、子供が催したらどうするか。
寝ているうちのチビの向かいのベッドの男の子の
お母さんが、子供をベッドに立たせて、
ゴミ箱におしっこさせているではありませんか。
そう、中国の児童病院のゴミ箱は、
まさにおまる状態。
それで、小型のゴミ箱があちこちにおいてあったのですね。

ゴミ箱におしっこした後、その親子は立ち去ったのですが、
ベッドを見てみると、おしっこのしずくがボタボタ。
思わず、自分が座っているベッドを
点検してしまいました。

それだけで十分にショックだったのですが、
帰り、点滴室を出て待合室を通る際、
何か水たまりのようなものを踏んでしまいました。

そう、それはどこの子供がしたのか分らない
おしっこの水たまり。
もう、泣きそうになりました。

外だけでなく、建物の中でも
おしっこさせてしまうなんて、あんまりです。
(ま、そこでさせたのではなく、
スッポンポンの子供が、そこでおもらししてしまったのだと
思いますが、親も当たり前のように知らん顔で立ち去ります
子供があちこちでおしっこすることに慣れ切っているのです!)

あれ、話がどんどんずれていってしまいました。
とにかく、チビちゃんは点滴後、帰宅。
翌日は処方された抗生物質と苦い漢方の薬を
飲ませていましたが、結局は熱が上がっては
熱ざましを飲ませるの繰り返し。

数時間ごとに熱ざましを飲んでいれば
元気だったチビちゃんですが、
病院に行った翌々日の午後は、
薬が切れてぐずった後、薬を飲ませても効かず、
どんどん体温が上昇。
荒い呼吸をしていましたが、そのうち
母の腕の中でぐったりして目を閉じてしまいました。

そこで慌てて再び児童病院へ。
再び点滴を受けることになったのでした。

つづく。

自分が中国で妊娠・出産してみて、
周りの人たちの帝王切開率の高さに
驚いていたつばめですが、
ある日の中国青年新聞を見ると、

「わが国の帝王切開率は46.5%に達する」

という見出しが。
確かに周りの中国人の人たちを見ていても、
半分ぐらいは帝王切開で産んでいるようだ
という感触だったので、それを裏付ける数字。

それどころか、調査では
70%以上が帝王切開という都市もあったそう。
これはすごいですね。

中国がこれほど帝王切開率が高い理由は
いろいろあるようですが、
新聞には主に3点にまとめられていました。

一点目は、中国は一人っ子政策なので、
子供を大変重視しており、
医者も自然分娩で何か問題が起こって
訴訟など起こされてもややこしいので、
つい帝王切開を選びがちということ。

二点目は、助産士が不足していることと、
医療関係者に帝王切開の危険性についての認識が
欠けていること。

三点目は、文化風俗の影響で日を選んで出産を望んだり、
妊婦の栄養の取りすぎで胎児が大きくなりすぎ、
帝王切開になってしまうということ。

そんな中国の出産の現状ですが、
政府は自然分娩を強力に推進していく考えで、
まずは100の自然分娩模範病院を
設立する予定だそうです。

母子を救うために必要なら
帝王切開すべきですが、
むやみやたらに切るというのは
やっぱり考えものですね。

お母さんと子供のために
帝王切開を選ぶべきなのか、
それとも自然分娩で産むことができるのか、
お母さん自身には判断しかねることなので、
その判断ができるお医者さんが
増えていくといいですね。

ま、仮に判断できても、
病院が非常に込んでいる現状の医療現場では、
ゆっくり自然分娩させるより、
さっと切って出して、
早くて手術代も儲かる帝王切開のほうを
医者が好むのは分らないでもないですが。。。
でもやっぱり、お医者さんには、金儲け主義ではなく、
患者の身になって考えてほしいですね。

中国の出産事情のお話でした。

↑このページのトップヘ