ニイハオ中国(つばめ)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

カテゴリ: 1回〜

前回に引き続き、つばめの夫との結婚生活を紹介しましょう。


恥ずかしながらつばめ、料理はあまり得意ではない。
聞けば夫も中国人男性には珍しく、
家では食事を作ったことがないらしい。

結婚前はどうなることかと心配したが、何とかなるものだ。
夫のために中華料理を覚えなければ、と思って、
中国人料理研究家のウー・ウェンさんが日本で出版した
中華料理の本を2冊持って来た。
女の鏡といわれる日本人女性として、頑張らなければ!

夫は毎日会社に出勤。
私は掃除、洗濯、そして食料品買出しへ。
本とにらめっこしながら一生懸命作ったが、夫の反応は・・・。

3日目には夫が、「自分が作る」と言い出した。
夫が初めて作った料理は、
トマトと卵の炒め物、ジャガイモの細切り炒め、
青椒ロースー、そして、冬瓜スープ。

「ウーン、うまい!」

と夫は自画自賛。

「作ったことないのに、こんなにおいしくできるなんて、
ボクって天才だー!」

と興奮気味。

「ほんとおいしいね、じゃあ、今度からあなたが作る?」

と言ってみたところ、

「そうだな、そしたらボクが作って、つばめが皿洗いする?」

って。シメシメ、ヤッター!

次の日から、夫は帰宅後、
イソイソと台所に立つようになった。

「ボク、本とは料理作るの結構好きだったんだ、やればできると思ってた」

なーんて言い出して。

「ほんとねー、あなたが作った料理はほんとにおいしいわ。
 こんな夫を持って、私ってホントに幸せ。」

--- これで食事の問題は、一件落着だ。

赤いエプロンして料理する夫の姿を
後ろから眺めるのって、幸せな気分だ。

今日は、つばめの西安での新居を紹介しましょう。


つばめのために、夫が借りてくれた西安の新居は、
アパートの3階。新婚生活を始める場所だから、と、
夫が何軒も物件を見て回って、やっと見つけた部屋だ。
内装して間もないきれいな部屋と聞いていたが、
どんな部屋だったかというと・・・。

まず、部屋に入ると、いきなりリビングルーム。
中国では、このような間取りが多い。
ドアを開けるとすぐ、テレビとソファーがあるリビングルームで、
そのリビングの隅のほうで靴を脱いで、スリッパにはきかえる。
面倒なら、靴のまま部屋に入ってもよい。
どっちみち、玄関と部屋の境目なんてないのだ。
・・・とまあ、ここまでは予想の範囲内だ。

びっくりしたのは、部屋に入って電灯をつけた時。
なんとリビングの電灯がパッ、と赤く灯ったのだ。
まるであやしいバーかラブホテルのような雰囲気。
幸いにも、メインライトを取り囲むスポットライトは
白色だったので、すぐさまメインライトを消して、
スポットライトだけつけることにした。
しかし、暗い。

そして、奥のダイニングに入って、
おそるおそるメイン電灯をつけてみると・・・、
ほっ、ここは大丈夫。普通に白い。

よかった、と思って、スポットライトをつけると、
おおっ、ここは緑と青のライトが交互に光っている!
ダイニングは、メイン電灯だけ使うことにしよう。

しかし、中国人の電灯の趣味って、どうしてこうなんだろう。
夫など、私がいないときには、赤いライトをつけて、
テレビなど楽しんでいる。何てことだ。

この間、中国人の友人達が遊びに来たときに、
「中国人のうちには、どこも赤い電灯があるの?」
と聞いてみると、「あるよ!」と、しっかりした答え。
「でも、スポットライトに赤を使うことが多くて、
この家のようにメインに赤を持ってくることは少ないよ。
この家の内装をした人は趣味がいいね!」

だって。信じたくないけど、中国ってそうなの?

こうして日本語教室で働き始めたつばめ、
夫との関係にも変化が・・・。
今回から、数回にわたって、
つばめと夫の日常生活を紹介しましょう。


朝ごはんはいつも私が準備する。
夫より少しだけ早く起きて、袋入り牛乳と卵を
水から火にかけ、沸騰したらできあがり。
そのころ、夜更かし夫がのっそりおきてくる。
起きてこなければ、「朝だよ〜、起きろ〜」と
起こしに行く。

夫が顔を洗ったり歯を磨いたりしている間に、
牛乳やら、ゆで卵やら、マントウやらを食卓に並べる。
そして一緒に朝ごはん。
朝食後、夫が出勤してから、私は食事の後片付け。
これがだいたいの日課だ。
しかしある日、その日課通りじゃない日がやってきた。

それは、私の日本語教師初出勤の日。
前の日、目覚ましをAM7:00にセットして就寝。

そして翌朝 ----

なんと、夫のほうが私より先に、ベッドから起き上がった。
そして食事の準備をはじめたのだ。
いつもは起こしてもなかなか起きない夫なのに。

「いいよ、いいよ、自分でやるから、もう少し寝てたら?」
と言ったのだが、
「ボクがやるから、つばめは先に顔を洗って」
とやさしい。
夫が作った目玉焼きはフライドエッグみたいになっていたけど、
感謝しながら食べた。

そして夫は、私を玄関まで送って、再び浅い眠りにつくのかと思いきや、
「ボクがつばめを学校まで送って行く」
と言い出した。中国では妻を職場まで送って行くのは
夫の当然の務めらしい。
結局夫は、自分の会社とは全く逆方向の学校の事務所まで
ついてきた。

まあ、初出勤の日はやさしいのね、と思っていたら、
次の日もまた、私より先に起きて、朝ごはんの準備をしている。
朝食後、
「もう道が分かったから、ついてこなくても大丈夫だよ」
と言ったのだが、結局またつばめを職場まで送り届けてから、
自分も出勤。

しかし3日目は違った。
前日、サッカーのワールドカップを徹夜で観戦した夫、
朝、「ゴメンつばめ、先にご飯食べて出勤して」
と言ったっきり、再び眠りに落ちていった。
やっぱり3日坊主だったね。

でも、たまに朝の逆転現象があるっていうのは
気分がいいものだ。

西安外国語大学で知り合った中国人の先生から
日本語教師の仕事を紹介されたつばめのその後は・・・。


日本語教室で働くようになって、たくさんの学生達や
先生と話すようになり、毎日が一気に充実したものとなった。

毎日行くところがあるって素敵!
それに仕事が終わった後の充実感って!
仕事帰りのショッピングも気分がいい。
やっぱり人間、仕事しないといけないね。
仕事があると、生活に張りと目的が生まれてくる。

結婚して中国に来たら、夫に稼いでもらって、
私は適当に遊んで暮らせばいいわ、なんて
結構軽く考えていたのだが、
仕事というのは、男性だけではなく、女性にとっても
大きな生きがいの一つなのだ、とつくづく実感。
つばめはとことん、仕事とは離れられない体質らしい。

日本語教師の仕事は、教室授業だけではなく、
予習も重要な仕事のひとつだ。
仕事をするようになってから、家でも予習をするようになり、
時間を有効活用するように。
やらなければならないことがあるって、素敵。

今まで時間をもてあましていたつばめは、
こうして、生き生きと働き始めたのでした。

西安外国語大学に日本人を探しに行ったつばめ、
日本人には出会えなかったのですが、中国人の日本語の先生と
知り合いになりました。


つばめも元々日本語教師で、語学に興味を持っているし、
研究肌のところもあるので、その先生とはとっても話が合った。
身の上話から仕事の話まで、いろんな話をするうちに、
「仕事がなくて、毎日家にこもっていて寂しい」
という気持ちも話した。
すると彼女、「じゃあ、仕事を紹介してあげる」って。

翌日、彼女が連れて行ってくれたところは、
西安外国語大学の先生たちが運営している
私営の日本語教室。
次の日、早速模擬授業をすることになった。

そして翌日。
緊張した面持ちで教室に入ると、
好奇心に満ちた目でこちらを見つめる学生たち。
とたんに教師魂が目覚めたつばめ、
最初の緊張もどこへやら、
すっかり教師モードに入り、
久々の授業の感覚を楽しんだ。

充実感に満ちて事務所に戻ると、
「早速明日から、正式に来てください」
と校長先生から言われた。
ヤッター、つばめ、ついに職をゲット。

次の日から週4回、日本語教室で
日本語を教えることになったのでした。

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